「1歳半なのに、まだ意味のある言葉が出てこない」「同じ月齢の子はもう『ママ』って言ってるのに、うちはずっと宇宙語ばかり」。そんなふうに、赤ちゃんの言葉がゆっくりだと、ふとした瞬間に胸がざわっとしますよね。SNSでペラペラ喋る子の動画を見ては、うちの子と比べて落ち込んだり。
でも、発語の早い・遅いは、想像よりずっと個人差が大きいものです。この記事では、月齢ごとの発語のめやす、「話す」より先に育つ「理解する言葉」のこと、指差しや模倣みたいな言葉以外のサインの見方を、日本の研究や健診の情報をまじえてまとめました。あわせて、心配なときに相談を考える目安もお伝えします。
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こんにちは、linoです。2024年9月生まれの男の子を育てています。うちの息子はいま1歳9か月ですが、ハッキリした単語はまだ少なめ。「あれれ〜れれ〜」みたいな宇宙語で、いつも一人でご機嫌にしゃべっています。
1歳のころには「まわりの子より遅いかも」と気になって、発達の相談に行ったこともあります。そのとき「やりとりはちゃんとできていますよ」と言ってもらえて、すごくホッとしたのを覚えています。だからこの記事は、「正しい育て方を教えます」というより、同じように不安になった私が調べて、少し安心できたことをおすそ分けする感じで書いています。
結論:発語のスピードは個人差がとても大きい
先に結論からいきます。赤ちゃんが話し始める時期は、本当に子どもによってバラバラです。1歳前にポツポツ話す子もいれば、2歳近くまでほとんど宇宙語で、あるとき一気に言葉があふれ出す子もいます。「今の月齢でどれだけ単語が出ているか」だけで、発達の良し悪しは決まりません。
- 発語のスピードには大きな個人差がある。同じ月齢で比べて焦らなくていい
- 「話す言葉」より「理解する言葉」が先に育つ。こちらの言うことが分かっていれば大きな安心材料
- 言葉以外のサインを見る。指差し・目線・まね・身ぶりが出ていれば、コミュニケーションはちゃんと育っている
- 「話しかけが足りないから」ではない。ママのせいでも育て方のせいでもないことがほとんど
- それでも心配なら相談していい。1歳半健診・3歳児健診や保健センターは、不安を減らすための味方
「ふーん、そういうことか」と思えたら、それだけで今日から少し気持ちが軽くなるはずです。ここから、ひとつずつ順番に見ていきます。
月齢別・発語のめやす(喃語から二語文まで)
まずは、言葉がどんな順番で育っていくのかをざっくり見てみましょう。数字が出てくると身構えちゃうかもしれませんが、これは「ここまでにできなきゃダメ」というラインではなく、あくまで「だいたいこんな流れで進む子が多いよ」という目安です。前後半年くらいのズレは、ふつうにある範囲だと言われています。
| 時期 | ことばの発達のめやす |
|---|---|
| 生後2〜4か月ごろ | 「あー」「うー」というクーイングが出始める。あやすと声で応える |
| 生後6〜10か月ごろ | 「だーだー」「ばぶばぶ」など音を重ねた喃語(なんご)が増える。8〜10か月ごろがピーク |
| 10か月〜1歳ごろ | 「ママ」「わんわん」など意味のある初めての言葉(初語)が出る子が増えてくる |
| 1歳半ごろ | 意味のある単語がいくつか出る。指差しや「〇〇どこ?」への反応が育つ時期。ここから語彙が一気に増える「語彙爆発」を迎える子も |
| 2歳ごろ | 「わんわん きた」のような二語文が出始める子が増える。まだ単語中心の子もいて幅が広い |
厚生労働省の乳幼児身体発育調査では、1歳6〜7か月で「1つ以上の単語を話す」子は9割ほど、とされています。逆にいえば、この時期に「まだハッキリした単語が出ていない子」も一定数いるということ。1歳半健診で単語を目安のひとつにするのも、この流れがベースになっています。ただ、これはあくまで集団で見たときの割合の話。目の前のわが子が、その子のペースで進んでいるかどうかのほうがずっと大事です。
うちの息子も、1歳半をすぎても宇宙語がメインでした。1歳9か月の今も、「たっちー」「じーじ」「ブッブー」あたりがふんわり出るくらい。表にあてはめると「ちょっとゆっくりめ」に見えます。でも、これから書くように、言葉の数だけでは見えない大事な部分がちゃんと育っていました。
「話す」より先に「分かる」が育つ|理解の言葉に注目

言葉の発達を心配するとき、私たちはつい「いくつ話せるか」だけを見てしまいます。でも、言葉には2つの側面があります。相手の言っていることを「分かる」力(理解する言葉)と、自分の口から「話す」力(話す言葉)です。そして、たいていの子は「分かる」ほうが先に、そして大きく育ちます。
つまり、まだ「ママ」と言えない子でも、「ママどこ?」と聞くとこっちを見たり、「くつ持ってきて」で持ってきたりする。これは、言葉をため込んでいる最中というサインです。口から出てくるのは、そのあと。コップに水がたまっていって、ふちを越えたらあふれ出す——そんなイメージで説明されることもあります。
だから、発語がゆっくりでも、こちらの言うことを理解している様子があれば、それは大きな安心材料です。「ないないして」でおもちゃを片づける、「ちょうだい」で手渡す、「バイバイは?」で手を振る。こういう反応があるなら、言葉の土台はちゃんと育っています。うちの子も、しゃべる単語は少なくても、次に何をするか分かっている様子で、こちらの言うことにはちゃんと反応していました。そこに気づいてから、私はだいぶ気持ちが楽になりました。
専門的には、理解はふつうなのに話すのだけがゆっくりなタイプもあると言われています。この場合は、あせらず見守りながら関わっていくうちに追いついていくことも多いそう。もちろん個人差なので断言はできませんが、「話せない=分かっていない」ではない、というのは知っておくと安心につながると思います。
言葉以外の「やりとりのサイン」を見てみる

言葉の数ばかり数えていると見落としがちですが、赤ちゃんは言葉が出る前から、いろんな方法で「あなたと通じ合いたい」を表現しています。乳幼児の発達では、こうした身近な人とのやりとり・応答的な関わりが土台になると、国立成育医療研究センターや日本小児科学会などでも説明されています。むしろ、言葉より先にこっちが育っている子は多いです。
チェックしてみたいのは、こんなサインです。
- 指差し:ほしいものを指す、気になるものを「あれ見て」と指して共有しようとする
- 目線・アイコンタクト:名前を呼ぶと振り向く、うれしいとき・驚いたときにこっちの顔を見る
- まね(模倣):こちらの動きや声をまねする。まねは言葉を覚える大事な入り口
- 身ぶり・ジェスチャー:バイバイ、いやいやの首ふり、拍手、「ちょうだい」の手
これらが出ていれば、たとえ単語が少なくても、コミュニケーションの回路はちゃんとつながっています。うちの息子は、まさにこのタイプでした。「チュッ」と言うと両手を口にあてて「んーっぱっ!」と投げキッスをしてくるし、じゃんけんの「ぽん」のタイミングで手を出してくる(毎回パーだけど)。ニュースキャスターが「失礼します」と言うと、テレビに向かって深々とお辞儀を返す日もありました。
「あれれ〜?」と言うと「れれ〜」とまねするし、「どうぞ」を教えたら「どじょー!」と言いながら渡してくる。言葉としてはまだ完成していないけれど、やりとりしようとする気持ちは、あふれるくらい育っている。そう気づいてからは、単語の数を数えるより、この小さなやりとりを楽しめるようになりました。言葉は、こういう土台の上に、その子のタイミングで乗っかってくるものみたいです。
「男の子は遅い」「テレビのせい」って本当?
言葉が遅いと、いろんな「原因らしきもの」が耳に入ってきます。ここで、よく聞く話を正直に整理しておきます。
「男の子は言葉が遅い」——平均で見ると、女の子のほうが少し早い傾向がある、というデータはあるようです。ただ、それはあくまで平均の話で、差はそんなに大きくありません。「男の子だから何歳まで話さなくても平気」という保証にはならないし、逆に「男の子だから遅くて当然」と心配を丸ごと打ち消せるものでもない。性別より個人差のほうがずっと大きい、というのが実際のところだと思います。
「話しかけが足りないから」——これで自分を責めているママ、多いですよね。でも、発語がゆっくりなことと話しかけの量は、単純にイコールではありません。同じように関わっていても、早い子もゆっくりの子もいます。だから単純に「ママのせい」ではなさそうです。とはいえ、目を見てやりとりする関わりが言葉を育てるのは確かなので、そこは言葉かけの記事もあわせて参考にしてみてください。
「テレビや動画のせいで遅い」——赤ちゃんは、画面から流れる言葉より、目の前の人が自分に向かって話す言葉のほうを吸収しやすいと言われています。なので「動画だけで言葉を覚える」のは期待しにくいです。ただ、見せたから言葉が遅れる、という発達を遅らせる原因でもありません。生身のやりとりとセットで、上手に付き合えば大丈夫です。動画との付き合い方は下の記事にまとめています。
相談を考える目安|これは”安心のための一歩”

ここまで「個人差だから大丈夫」という話をしてきましたが、心配な気持ちを「気にしすぎ」で片づけたくはありません。不安なら相談していいし、それは決して大げさなことじゃないからです。むしろ、早めに専門の人と話せると、それだけで安心できることが多いです。私自身、1歳で相談に行って「大丈夫ですよ」と言ってもらえてホッとした側なので、実感としてそう思います。
下の表は、「様子を見ていて大丈夫なことが多いサイン」と、「早めに相談を考えたいサイン」をざっくり分けたものです。あてはまるからといって何かが確定するわけではなく、あくまで相談の窓口に足を運ぶかどうかの目安として見てください。
| 様子を見て大丈夫なことが多い | 早めに相談を考えたい |
|---|---|
| 単語は少ないが、こちらの言うことは分かっている | 名前を呼んでも反応が薄い・目が合いにくい |
| 指差し・目線・まね・身ぶりが出ている | 指差しがほとんど出ない |
| 宇宙語(喃語)でよくおしゃべりしている | 声や音への反応が乏しい(聞こえの心配) |
| 1歳半で単語がまだでも、やりとりは育っている | 2歳をすぎても単語がほとんど出ない |
| 2歳で単語中心、少しずつ増えている | 3歳ごろになっても二語文が出てこない |
相談のタイミングとして分かりやすいのが、1歳6か月児健診と3歳児健診です。これは母子保健法で市区町村に定められている健診で、言葉を含めた発達を見てもらえる機会。気になることがあれば、その場で保健師さんに伝えれば大丈夫です。健診を待たなくても、自治体の保健センターや、かかりつけの小児科はいつでも発達の相談を受け付けています。「こんなことで相談していいのかな」とためらう必要はまったくありません。
相談に行くと、必要に応じて言葉やコミュニケーションを育てるサポート(言語聴覚士さんや発達支援など)につないでもらえることもあります。「相談=大ごと」ではなく、「安心材料をひとつ増やしにいく」くらいの気持ちで考えてもらえたらうれしいです。
おうちでできること|特別な教材はいらない

「何かやってあげたほうがいいのかな」と思ったとき、まず知っておいてほしいのは、言葉は特別な教材がなくても育つということ。高い知育グッズをそろえなくても、ふだんの生活の中のやりとりが、そのまま言葉の栄養になります。無理にお勉強っぽくしなくて大丈夫です。
- 子どもが指差したものに「わんわんだね」と言葉をのせて返す
- 「あー」と声を出したら「あー、だね」とまねして返す(やりとりの往復になる)
- 目の前のことを実況中継する(「ごはんだよ」「くつ、はこうね」)
絵本を「これ何かな?」と一緒に見るのも、自然な言葉かけになります。うちは音の出る図鑑を使っていて、指差しと「わんわんだね」のやりとりが増えました。ただ、これも「使うと楽しいかも」くらいの位置づけ。なくても、いつもの声がけだけで赤ちゃんはちゃんと言葉を育てていきます。もし入り口がほしい方は、身近なものがたくさん載った図鑑から始めると、やりとりのネタが増えて気楽です。
実際に1歳の息子が毎日さわり倒した様子は、はじめてずかん1000の正直レビューにまとめています。
絵本をいつから・どう読むといいかは、別の記事でくわしくまとめています。読み聞かせのタイミングに迷ったら、あわせてどうぞ。
よくある質問(FAQ)
Q. 1歳半でまだ単語が出ません。大丈夫ですか?
単語の数だけで焦らなくて大丈夫です。1歳半で単語がまだでも、こちらの言うことを理解していたり、指差し・目線・まねが出ていれば、言葉の土台はちゃんと育っています。話す言葉は、理解の言葉がたまってから一気に出てくることも多いです。とはいえ気になるなら、1歳半健診のときに保健師さんへ伝えておくと安心材料になります。
Q. 宇宙語(喃語)ばかりで、意味のある言葉が出ません。
喃語でよくおしゃべりしているのは、声を出すこと・やりとりすることを楽しんでいるサインで、言葉につながる大事な段階です。うちの息子も1歳9か月でまだ宇宙語がメインですが、その中に少しずつ「わんわん」などが混ざってきています。宇宙語に対して「そうなの〜」と返してあげると、それがそのままやりとりの練習になります。
Q. 男の子は言葉が遅いって本当ですか?
平均では女の子のほうが少し早い傾向があるとされますが、その差はそれほど大きくありません。「男の子だから遅くて当然」と全部を打ち消すのも、「男の子だから何歳まで待っても平気」と考えるのも、どちらも言いすぎです。性別より個人差のほうがずっと大きいので、その子のペースで進んでいるかを見てあげるのがいちばんです。
Q. 言葉が遅いのは、私の話しかけが足りないせいですか?
そうではありません。発語のスピードと話しかけの量は、単純にイコールではありません。同じように関わっていても、早い子もゆっくりの子もいます。ママのせい・育て方のせいではないことがほとんどです。ただ、目を見てやりとりする関わりは言葉を育てるので、いつもの声がけを楽しむくらいの気持ちで続けていけば十分です。
Q. いつ、どこに相談すればいいですか?
分かりやすいのは1歳6か月児健診と3歳児健診のタイミングで、気になることを保健師さんに伝えることです。健診を待たなくても、自治体の保健センターやかかりつけの小児科は、いつでも発達の相談を受け付けています。名前を呼んでも反応が薄い・目が合いにくい・指差しが出ない・音への反応が乏しいなどが気になるときは、早めに相談していいと思います。「相談=大ごと」ではなく、安心材料を増やす一歩と考えてください。
Q. テレビや動画を見せると、言葉が遅くなりますか?
赤ちゃんは画面より目の前の人から言葉を覚えるのが得意なので、「動画だけで言葉が育つ」のは期待しにくいです。一方、動画を見せることが発達が遅れる原因にもなりません。生身のやりとりとセットで、上手に付き合えば大丈夫。見せる時間や内容の選び方は、動画の記事にまとめています。
まとめ

- 発語のスピードは個人差がとても大きい。月齢の目安は「流れ」であって、合格ラインではない
- 「話す」より先に「分かる」が育つ。理解している様子・指差し・まね・目線が出ていれば大きな安心材料
- 心配なら相談していい。健診や保健センターは、不安を減らすための味方。相談は大ごとではなく安心の一歩
1歳のころ「まだ話さない」と落ち込んでいた私に、いちばん言いたいのは「その子のペースがあるから、そんなに焦らなくて大丈夫だよ」ということ。うちの子は今も宇宙語まじりだけど、投げキッスもお辞儀も、こっちの言うこともちゃんと分かっています。言葉は、そういう小さなやりとりの積み重ねの上に、その子のタイミングで乗っかってくるもの。今日のやりとりを、まずは肩の力を抜いて楽しめますように。
合わせて読みたい
参考にした主な資料
- 厚生労働省「乳幼児身体発育調査」「標準的な乳幼児期の健康診査と保健指導に関する手引き」(1歳6か月児健診・発語の割合など)
- 母子保健法(1歳6か月児健康診査・3歳児健康診査の位置づけ)
- 国立成育医療研究センター(乳幼児の発達・健診・育児に関する情報)
- 日本小児科学会(乳幼児の発達・健診に関する情報)
- 喃語・初語・語彙爆発など言語発達の段階に関する各解説(言語聴覚士監修記事ほか)
※この記事は子育て中のママ個人の体験と、公的機関・研究で言われていることをまとめたものです。発達には大きな個人差があり、内容は診断や医療的な判断に代わるものではありません。お子さんの発達で気になることがあるときは、1歳6か月児健診・3歳児健診のほか、自治体の保健センターやかかりつけの小児科にご相談ください。




