絵本はいつから読み聞かせる?言語発達研究から見る0歳〜1歳のベスト時期

絵本はいつから読み聞かせる?言語発達研究から見る0歳〜1歳のベスト時期

「絵本の読み聞かせって、いつから始めればいいんだろう?」
わが家でもまさにそうでした。生まれたばかりの息子を抱っこしながら、「まだ目もよく見えてないのに、絵本なんて早いかな…」と棚の前で迷っていたのを覚えています。

先に結論からお伝えしますね。

読み聞かせは、いつから始めても大丈夫。早すぎることはありません。
新生児の今日からでもいいし、首がすわってからでも、1歳を過ぎてからでも、どこから始めても遅すぎることはないんです。

そしてもうひとつ大事なこと。
「早く始めたほうが効果が出る」と焦る必要も、まったくありません。

この記事では、言語発達の研究をもとに「いつから・どう読むといいのか」を、月齢別の赤ちゃんの反応とあわせてまとめました。白黒絵本・布絵本・しかけ絵本・うたの絵本、それぞれどの時期に向いているのかも比較表で整理しています。

読んでいくうちに、「あ、うちのペースでいいんだ」って肩の力が抜けたら嬉しいです。

目次

結論:読み聞かせは「今日から」でも「ゆっくり」でもOK

まず、いちばん気になるところから。

絵本の読み聞かせを「いつから始めるべきか」については、専門家のあいだでもいろいろな見方があります。妊娠中から声を届けてもいいという考え方もあれば、新生児期からでOKという意見、赤ちゃんが絵をしっかり見られるようになる生後5か月ごろからをすすめる専門家もいます(参照:絵本文化推進協会)。

つまり、「この月齢から始めないとダメ」という正解はないということ。逆に言えば、いつ始めても間違いじゃないんです。

わが家の場合は、生後2か月くらいから白黒の絵本をなんとなく見せ始めました。最初は反応らしい反応もなくて、「これ、意味あるのかな?」と半信半疑。でも、絵本を読むこと自体が、私にとっては息子とゆっくり向き合う時間になっていました。

ここで大事にしたい考え方があります。読み聞かせは「やらなきゃ脳の発達に遅れが出る」ような義務ではなく、親子で過ごす心地いい時間を増やす手段のひとつ、ということ。やってもやらなくてもいいし、やるなら気楽に。そのくらいの温度感で十分だと思っています。

このあとの研究の話も、「だからやらなきゃ」ではなく「だから気が向いたときに読むと、こんないいことがあるよ」という、安心の材料として読んでもらえたら嬉しいです。

言語発達の研究からわかること

「読み聞かせは赤ちゃんにいい」とよく言われますが、実際にどんな研究があるのか、わかりやすくまとめてみました。

赤ちゃんは「声」と「言葉のシャワー」で育つ

0歳の赤ちゃんは、まだ言葉を話せません。でも、まわりの言葉をちゃんと吸収しています。

有名なのが、アメリカの研究者ハートとリズリーによる「3000万語の格差」と呼ばれる研究です。生後9か月ごろから3歳までの子どもを長期間観察したもので、家庭によって子どもが浴びる言葉の量に大きな差があり、それがのちの語彙力に関わっていた、という内容です(参照:HONZ/『3000万語の格差』書評)。

ここでポイントなのは、「たくさん教え込もう」という話ではないこと。日常の声かけや、絵本を一緒に見ながらの「これ、わんわんだね」といったやりとりも、立派な言葉のシャワーになるということなんです。

絵本は、この「言葉のシャワー」をちょっと意識的に増やせる、とても手軽なツール。特別なことをしなくても、ページをめくっておしゃべりするだけで十分です。

「対話しながら読む」と、もっといい

もうひとつ知っておくと心が軽くなるのが、対話的読み聞かせ(ダイアロジック・リーディング)という方法です。

これはアメリカの心理学者ホワイトハースト博士が1990年代に提唱したもので、ハーバード大学などでも研究されてきた読み方です(参照:SHINGA FARM)。

やり方はとてもシンプル。絵本を最初から最後まできっちり読むのではなく、「これ何かな?」「わんわん、いたね」と話しかけながら読むだけ。子どもの反応を待って、返ってきた言葉を繰り返したり、ちょっと足したりしていきます。

研究では、この読み方が語彙の豊かさや表現力を育てると報告されています。とはいえ、0歳の赤ちゃんはまだ答えてくれません。それでも大丈夫。「あ、笑った」「目で追ってるね」くらいの一方通行のやりとりでも、ちゃんと意味があります。本格的な「対話」は、言葉が出てくる1歳以降のお楽しみ、くらいに思っておけば十分です。

「共同注意」が芽生える時期がひとつの目安

赤ちゃんの発達のなかで、読み聞かせとよく関わるのが「共同注意」という力です。

これは、大人が見ているものに赤ちゃんも目を向けたり、自分が持っているものを「見て」と差し出したりする力のこと。だいたい生後9〜10か月ごろから育ってくると言われています。

この力が芽生えると、「ママが指さした絵を一緒に見る」ということができるようになります。つまり、絵本を「一緒に見て楽しむ」段階に入っていくんですね。だからといって、それまで読んでも無駄ということではまったくありません。共同注意が育つ前の読み聞かせは「絵本に慣れる準備運動」、育ったあとは「一緒に楽しむ本番」、というイメージです。

ちなみに、言葉そのものについての発達も少し触れておくと、生後0〜2か月は音に反応する時期、3〜6か月は声を出して遊ぶ時期、7〜12か月は言葉の意味を理解し始める時期、と段階的に進んでいきます(参照:ベビーパーク)。読み聞かせも、この流れに沿って楽しみ方が変わっていきます。

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月齢別|赤ちゃんの反応と向いている絵本タイプ

「いつでもOK」とはいえ、月齢によって赤ちゃんの見え方も反応も変わります。その時期に合った絵本を選ぶと、赤ちゃんも私も、ぐっと楽しみやすくなりますよ。

まずは全体像を表で整理しました。

月齢赤ちゃんの反応・できること向いている絵本タイプこの時期のねらい
0〜3か月まだ視力が弱く、白黒のコントラストがいちばん見やすい時期白黒絵本・シンプルな顔の絵本視覚を刺激する/ママの声に慣れる
4〜6か月手を伸ばしてつかむ、口に入れる。色も少しずつ見える布絵本・カラフルで単純な形の絵本触る・なめるなど五感で絵本に親しむ
7〜12か月おすわり安定。めくる、たたく。言葉の意味を理解し始めるしかけ絵本・いないいないばあ系「めくる」動作とやりとりを楽しむ
1歳〜指さし・共同注意が育ち、一緒に絵を見られるうたの絵本・繰り返しのある絵本対話しながら読む/言葉を増やす

ひとつずつ、もう少し詳しく見ていきますね。

0〜3か月:白黒絵本で「見る」を楽しむ

白黒絵本を見つめる赤ちゃん

新生児期の赤ちゃんは、まだ視力がとても弱くて、色もぼんやりとしか見えていません。この時期にいちばんはっきり見えるのが、白と黒のコントラストなんです(参照:KADOKAWA/カドブン)。

だから、この時期は白黒絵本やシンプルな顔が描かれた絵本がぴったり。赤ちゃんがじーっと見つめてくれることがあって、「ちゃんと見えてるんだ」とちょっと感動します。

わが家でも、生後2か月くらいから白黒絵本を見せ始めました。最初の反応はほんとに薄め(笑)。でも、生後4か月ごろになると、シマシマ(縞模様)やグルグル(渦巻き模様)のページにぐっと食いつくようになってきたんです。たまにページを目で追うどころか、手をバタバタさせて喜ぶことも。じつは赤ちゃんは、月齢が進むにつれて、ただの白黒から「シマシマ・グルグル」のような少し複雑なコントラスト模様を好むようになると言われています。反応がなくても気にしなくて大丈夫ですが、この「だんだん模様に反応しはじめる」変化は、見ていてけっこう楽しいですよ。

4〜6か月:布絵本で五感を使って

布絵本を触る赤ちゃん

このころになると、手を伸ばしてものをつかんだり、なんでも口に入れたりするようになります。絵本も「見るもの」から「触って確かめるもの」に変わっていく時期。

ここで活躍するのが布絵本。やわらかくて、なめても破れにくくて、カシャカシャ音がするものも多いので、赤ちゃんが夢中になります。「読む」というより「おもちゃとして遊ぶ」感覚でOK。それも立派な絵本との出会いです。

7〜12か月:しかけ絵本で「めくる」喜びを

おすわりが安定してくると、自分でページをめくったり、たたいたりするように。この時期は、めくると絵が変わるしかけ絵本や、「いないいないばあ」系の絵本が大ヒットします。

言葉の意味も少しずつわかってくるので、「ばあ!」のタイミングでキャッキャ笑ってくれることも。やりとりが生まれてくる、楽しい時期です。

1歳〜:うたの絵本・繰り返し絵本で対話を

1歳を過ぎると、指さしや共同注意が育って、「一緒に絵を見る」ことができるようになります。ここからが、さっき紹介した対話的読み聞かせの出番。

リズムのあるうたの絵本や、同じフレーズが繰り返される絵本は、子どもが先回りして声を出したり、体を揺らしたりしてくれます。「これなあに?」と聞いてみたり、子どもの言葉を繰り返したり、おしゃべりしながら読むと、それだけで言葉のシャワーになりますよ。

読み聞かせのコツ|完読しなくていい・反応がなくてもいい

寝る前の読み聞かせ

ここまで読んで、「ちゃんと読まなきゃ」と気負ってしまった方がいたら、ここで一気に肩の力を抜いてくださいね。読み聞かせに、上手も下手もありません。

最後まで読まなくて大丈夫

赤ちゃんは集中力が短いので、途中でよそ見したり、ページをめくり飛ばしたり、本を閉じてしまったりは日常茶飯事。それでまったく問題ありません。

「今日は表紙だけ眺めて終わり」でも、「同じページばっかり10回」でも、それが今の赤ちゃんのペース。完読をゴールにしないほうが、お互い楽しく続けられます。

反応がなくても、効いていないわけじゃない

無反応だと「興味ないのかな」と寂しくなりますが、赤ちゃんはちゃんとママの声を聞いています。表情に出ないだけで、心の中ではいろんな刺激を受け取っているもの。

わが家の息子も、0歳のころは絵本に無反応なことのほうが多かったです。でも1歳を過ぎたあたりから、突然お気に入りの絵本を自分で持ってくるように。あのときの読み聞かせは、ちゃんと積み重なっていたんだなと思います。

「読む」より「一緒にいる」を大事に

絵本のいちばんの効果は、もしかしたら言葉の発達よりも、ママと過ごすあたたかい時間そのものかもしれません。膝の上で同じ絵を見て、同じ声を聞く。その安心感が、赤ちゃんにとっては何よりのごほうび。

だから、寝る前の1冊でも、機嫌のいい朝の数分でも、無理のないタイミングで。続けることより、その時間を楽しむことを優先して大丈夫です。

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0歳〜1歳のはじめての1冊におすすめの絵本

最後に、わが家で実際に手に取った絵本や、ファーストブックの定番として長く愛されている絵本を紹介します。月齢の流れに沿って、白黒絵本→布絵本→しかけ絵本→定番のうた・めくり絵本の順に並べました。「どれを選べばいいかわからない」という方は、今の月齢に合いそうなものを1冊から試してみてくださいね。

しましまぐるぐる 柏原晃夫

【白黒絵本】しましまぐるぐる(柏原晃夫)

赤ちゃんがいちばん見やすい白・黒・赤の三色と、しま模様・ぐるぐる模様だけで作られた白黒絵本の大定番。わが家でも生後2か月ごろから見せていて、4か月を過ぎたあたりから、このシマシマ・グルグルに急に食いつくようになりました。視力が発達途中の時期のファーストブックにぴったりです。

📌 こんな人におすすめ:0〜3か月の最初の1冊に/模様にだんだん反応しはじめる時期に

Sassyのあかちゃんぬのえほん あーそーぼ

【布絵本】Sassyのあかちゃんぬのえほん あーそーぼ

なめても破れない布製で、カシャカシャ音が鳴ったり、ひもを引っぱれたりと赤ちゃんが夢中になるしかけがいっぱい。白黒+赤の高コントラストとはっきりした顔デザインで、低月齢から目でも楽しめます。ベビーカーに付けられるループ付きで、お出かけのおともにも。洗えるのも嬉しいポイントです。

📌 こんな人におすすめ:4〜6か月の「触る・なめる」時期に/お出かけ用のファースト布絵本に

やさいさん tupera tupera

【しかけ絵本】やさいさん(tupera tupera)

「やさいさん やさいさん だぁれ」のリズムに合わせてページをめくると、にんじんやじゃがいもが土からスポッと抜けて登場するしかけ絵本。めくる動作が楽しくなってくる時期に大ヒットします。tupera tuperaさんの鮮やかでユーモラスな絵も魅力です。

📌 こんな人におすすめ:7〜12か月のめくり遊びが好きな子に/野菜に興味を持ちはじめたら

いないいないばあ 松谷みよ子

いないいないばあ(松谷みよ子)

1967年の刊行から読み継がれ、累計750万部を超える赤ちゃん絵本の超ロングセラー。「いないいない…ばあ!」のシンプルな繰り返しで、動物たちが顔を見せてくれます。ページをめくる楽しさと、やりとりのきっかけが詰まった1冊。

📌 こんな人におすすめ:はじめての1冊に迷ったら/7か月〜のめくり遊びが好きな子に

だるまさんが かがくいひろし

だるまさんが(かがくいひろし)

「だ・る・ま・さ・ん・が…」のリズムで、だるまさんがころんだり伸びたり。三部作シリーズ累計552万部のベストセラーです。声に出して読むとリズムが心地よく、繰り返しのフレーズに赤ちゃんがニコニコ。1歳前後からの対話的な読み聞かせにもぴったり。

📌 こんな人におすすめ:リズムで笑わせたい/繰り返しが好きな7か月〜1歳の子に

だるまさん 3冊ケース入りセット

「だるまさん」シリーズ 3冊ケース入り(が・の・と)

人気の「だるまさん」三部作(が・の・と)がそろったケース入りセット。お気に入りの1冊が見つかったら、シリーズでそろえるのもおすすめです。出産祝いやはじめての絵本セットとしても人気。長く楽しめるラインナップです。

📌 こんな人におすすめ:まとめて揃えたい/出産祝いを探している方に

どれも、わが家でも実際に手に取って「最初の1冊にいいな」と感じた絵本です。気になったものから、ゆるっと始めてみてくださいね。

よくある質問

Q1. 絵本の読み聞かせは、何か月から始めるのがベストですか?

「この月齢から」という明確な正解はありません。新生児期から始めてもいいですし、絵をしっかり見られるようになる生後5か月ごろからをすすめる専門家もいます。早く始めても遅く始めても問題ないので、ママが「やってみようかな」と思ったときがベストタイミングです。

Q2. まだ目がよく見えていない新生児に読んでも意味はありますか?

意味はあります。新生児期は白と黒のコントラストがいちばん見やすいので、白黒絵本ならじっと見つめてくれることもあります。それに、赤ちゃんは絵よりもママの声に安心するもの。視力に関係なく、声を聞かせるだけでも十分価値があります。

Q3. 読み聞かせをしても赤ちゃんが無反応です。やめたほうがいいですか?

やめなくて大丈夫です。赤ちゃんは表情に出さなくても、ちゃんとママの声を聞いて刺激を受け取っています。0歳のうちは無反応なことのほうが多いくらい。反応は気にせず、ママが楽しめる範囲で続けてみてください。1歳を過ぎたころに、急にお気に入りができることもよくあります。

Q4. 最後まで読めずに、すぐ本を閉じられてしまいます。

それで問題ありません。赤ちゃんの集中力は短いので、途中でやめたり、同じページばかり見たりはよくあること。完読をゴールにせず、「今日は数ページ読めた」くらいの気持ちでいると、お互い気楽に続けられますよ。

Q5. 0歳に最初の1冊を選ぶなら、どんな絵本がいいですか?

月齢によって向くタイプが変わります。0〜3か月なら白黒絵本、4〜6か月なら触って遊べる布絵本、7か月以降なら「いないいないばあ」やしかけ絵本が楽しみやすいです。迷ったら、長く愛されている「いないいないばあ」や「だるまさんが」のような定番から選ぶと失敗が少ないですよ。

まとめ:いつから始めても、それがベストタイミング

最後に、この記事のポイントを振り返っておきますね。

  • 読み聞かせはいつから始めてもOK。早すぎることも、遅すぎることもありません
  • 言語発達の研究では、言葉のシャワーや対話的な読み聞かせが語彙を育てると報告されている。でも「焦って効果を出す」ためのものではなく、安心の材料として
  • 月齢別に、白黒絵本→布絵本→しかけ絵本→うたの絵本と楽しみ方が変わっていく
  • 完読しなくていい・反応がなくてもいい。ママと過ごす時間そのものがいちばんの効果

絵本は「やらなきゃいけない教育」ではなく、親子で楽しむ手段のひとつ。気が向いたときに、好きな絵本を、好きなだけ。それで十分です。

わが家も、無反応だった0歳期を経て、今では息子が自分で絵本を持ってくるようになりました。あのころのゆるい読み聞かせも、ちゃんと積み重なっていたんだなと感じています。

あなたとお子さんのペースで、絵本のある時間を楽しんでもらえたら嬉しいです。

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この記事を書いた人

2024年9月生まれの男の子を育てるママ。育児の「これって大丈夫?」をエビデンスと実体験で深堀りしています。正直に使ってよかったものだけ紹介中。Instagram / Threads:@lino_toylog

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